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活況のホタテ養殖を担うヤマハ漁船(青森県陸奥湾)

DX-51A-0C
妙幸丸 活況のホタテ養殖を担うヤマハ漁船

大漁ニュース 192号掲載(2016年)

ホタテ養殖発祥の地として、現在にいたるまでホタテ養殖が盛んに行われてきた青森県の陸奥湾では、ここ1~2年で各港に多くのヤマハの漁船が進水しています。
今回はその代表として陸奥湾で草創期よりホタテ養殖に従事している新谷富也さんの〈妙幸丸〉(DX-51A-0C)を訪ねました。

進水間もない新谷富也さんの〈妙幸丸〉(DX-51A-0C)。

午前3時半、青森県むつ市の浜奥内の港には、日の出と共に操業する乗組員が続々と港に集まり、船に乗り込んでいきます。
その中の一隻に進水間もない〈妙幸丸〉の姿が見えます。
船主の新谷富也さんは、息子の富貴さん、奥様のふみこさん、義兄の新山幸太郎さんと、ホタテ養殖に従事。
この日は午前4時前に出港していきました。
ここ数年の陸奥湾のホタテは活況を呈しています。
特に2016年は、史上最高の水揚げ高になるものと見込まれ、こうした好況も影響してか、新たな漁船の進水が続いているようです。
なかでも脚光を浴びているのが「DX-51」「DX-53」を中心とするヤマハ漁船のDXシリーズ。
新谷さんの〈妙幸丸〉(DX-51A-0C)も陸奥湾に進水したばかりの新造船の一つ。

作業時の安定性にも優れている。
約3トン分の出荷量を積載しても余裕のある〈妙幸丸〉の艏デッキ。

「夏前はやませも吹いたりして大変な時もあるんですが、この新しい船にしてからは船体の安定性が格段によくなって作業にも余裕が出てきましたね。なんといっても見た目がかっこいいし、やる気にさせる船ですよ」と、新谷さんは笑顔で語ります。
新谷さんが褒める「見た目の良さ」という長所は、通称「コブラシアー」が際立たせています。
船を横から見た際に、船体中央部から船首にかけて美しいシルエットを描く外観デザインは、いわば”陸奥湾仕様”。
この形状は、フレアもワイドで、波しぶきの打ち込みを極力抑える効能も発揮します。
さらにワイドなデッキは作業性も抜群、また特に繁忙期に必要とされる積載量も申し分ありません。
また、「安定性がいい」「舵効きがよい」など、新たなDXシリーズを手にしたオーナーから高い評価を受けているのです。

新谷富也さん(左)はむつ市の組合長。操業では息子の富貴さん(右)がまとめ役となっている。

陸奥湾のホタテ養殖は親から子へと代々引き継がれ、後継者も育っています。
〈妙幸丸〉でも、富也さんから富貴さんへとバトンが渡されようとしています。
次の時代の基礎を作るためにも、各港でさまざまな策を講じ、盛り立ててきた陸奥湾のホタテ養殖。
次々と進水する美しいその漁船の姿からは、若者たちの、新しい時代に向けての気概が伝わってきました。

こちらは清水川港の一義丸〈DX-53C-0C〉。乾舷の高さが低く抑えられ、作業性は抜群。
野辺地港の栄丸〈DX-51B-0A〉。安定性とその快足ぶりに船主の三國博憲さんも納得の手応えを感じていた。
華宝丸〈DX-53C-0B〉はむつ市の隣、横浜町のホタテ養殖で活躍中。