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陸奥湾のホタテ魂に応える新造船(青森県横浜町)

DX-53C-0B
喜宝丸 / 牛若丸 陸奥湾のホタテ魂に応える新造船

大漁ニュース 189号掲載(2014年)

良質なホタテの産地として知られる青森県の陸奥湾。
2014年の5月、その陸奥湾に面した横浜町漁港に同型の新造船、〈喜宝丸〉〈牛若丸〉(DX-53C-0B)が相次いで進水し、注目されています。

「DX-53C-0B」は陸奥湾で注目のホタテ養殖作業船

船を横から見た際に、船体中央部から船首にかけて美しくカーブを描く独特のシルエットは、通称「コブラシアー」とよばれています。
オホーツクの荒海で鍛えられた凌波性、耐航性に優れたこの船型は、今回初めて陸奥湾に導入されたもの。

〈喜宝丸〉の杉山亘さん。2人のお子さんはともに成人し、漁師を継いでいる。
〈牛若丸〉の蛯沢優介さん。早くに父を亡くしたのち、成長するまでお母様が仕事を守り、そして、引き継がれた。
作業性の良さ、舵効きの良さも自慢。前部デッキは積載スペースとしても充分(牛若丸)。

「走る際のしぶきの打ち込みが無く、快適です。デッキは広く作業性も抜群、また特に繁忙期に必要とされる積載量も申し分なく、満足しています」と、蛯沢優介さん(牛若丸)、杉山亘さん(喜宝丸)の2人の船主は口を揃えます。
さらに、「大きめのチャインで安定性がよく、フネの据わりがいい」「舵効きがすごぶるよい」と、新しいフネの気に入った点を矢継ぎ早に語っていきます。

早朝、沖合の養殖施設へと向かう〈牛若丸〉。コックピットには最新機器が効率よく配置されている。

陸奥湾には「DX-48A」という、これもホタテ養殖作業船として大好評のモデルが存在します。
発売以来、かなりの年月が経っても手放したがらない船主さんが多いとのことです。
「DX-53C-0B」への高評価は、その船をよく知る2人によるものだからこそ、信頼できそうです。
陸奥湾の中でも、斃死と闘いながら3年貝を育てきる横浜町のホタテは、大きさだけでなく、その味わいなど、品質で頭がひとつ抜けていると評判です。
「頭の中はホタテのことばかり。酒を飲んでいてもホタテのことを話している。日々研究しています」
こうした”ホタテ魂”を持つ2人にとって、新しい「DX-53C-0B」は強力なパートナーとなっているに違いありません。

洗浄、サイズの選別を行い、ベルトで前部の積載スペースへと送っていく(牛若丸)。
横浜町漁協の荷さばき施設に水揚げする。